第4回 経営理念の策定
経営理念(ビジョン)は企業活動の出発点であると「経営基本講座 第3回 経営理念」にて解説し、同様に経営理念の効果についても、解説させていただきましたが、今回もその効果について最初に触れておき、その後に構成要素と策定及び運用における注意点を解説します。
経営理念の効果
経営理念を策定し運用する事で以下の効果が得られます。
出発点
企業は経営理念の達成のために活動し、従業員と共有する事で「燃える集団」が形成されます。
行動指針
経営理念は経営者はもちろん、管理者や一般従業員の行動指針となります。
モラールの向上
社会貢献の視点を含んだ経営理念を設定し実践すると、従業員は社会の一員として活躍の場を与えられ、従属要求や尊厳要求などが満たされモラールが向上します。
C企業文化の構築
多種多様な価値観が存在する現代社会において、一つの正しい価値観を明確にしておくことにより、従業員の価値基準となり企業文化の基盤となります。
D良い人材を集める
良い経営理念を掲げ実践していくと、社外の人間にも企業文化が伝わり、良い人材が社内に集まります。
経営理念の構成要素
経営理念は設定者の価値的概念であるため、「このように策定すれば間違いない」という事は無いですが、以下のような要素に盛り込む事が好ましいと言えます。
事業領域
「自社の事業領域は何処か」をある程度示す必要があります。事業の領域を示す事により、従業員へ明確に進む方向を提示することができます。
社会貢献
「企業が社会にどのように貢献するか」を示します。人間は自分が社会に貢献できていると実感した時、もしくは自分でも社会に貢献する事が可能と認識した時に、モチベーションが高くなります。この心理行動は、人材戦略編にて解説させていただきます。
顧客への姿勢
顧客に対する基本姿勢を示します。示された姿勢が従業員達の顧客対応の価値基準となります。
従業員への姿勢
従業員に対する基本姿勢を示します。示された姿勢が実施され従業員に認識される事により、強い組織が風土が形成されていきます。
取引先への姿勢
取引先に対する基本姿勢を示します。示された姿勢が取引先に共鳴され、強い協力関係が生まれます。
事業活動
「自社の事業活動が何か」を示します。良い経営理念を設定し実践していく上で、強く影響を受けるのが従業員です。このことから、経営理念を設定する上で、企業が示す従業員への姿勢の視点を熟慮して設定してください。
経営理念の策定及び運用の注意点
心の想いを明文化する
心にも無い事を文章化しても意味がありません。経営理念は企業創業期に頃は「創業者の熱い想い」が、また歴史を重ねる事により経営陣や従業員の「想い」が込めら始めて強みを発揮します。
心にも無い形だけの経営理念は「形骸化」し、経営理念の効果どころかマイナスの効果しか得られません。
経営者は常に実践する
経営理念を設定し公開したからには、経営者は日々実践していかなければなりません。いくら想いが強く共鳴できても、実践しなければ経営者の想いは従業員や関係者からは「口先だけ」と揶揄されてしまいます。他人を共感させ行動させるには、先ず自分から行動する必要があります。
独自の経営理念を設定する
経営理念を拝見すると、意外と抽象的な表現すぎて、想いが届かない場合があります。これは、大手企業の経営理念を単純に模倣した結果ではないでしょうか?大手企業は無関連多角化経営(コングロマリット企業)しており、その無関連事業の共通の理念として経営理念を設定しています。
その理念を受け、各事業部ごとの理念(ビジョンやミッションとも言う)が設定されことになり、従業員は所属する事業部の理念を受け止めて行動しています。
つまり、価値基準としての効果を果たす理念は事業部の理念となり、経営理念は事業部の理念を設定するうえでの価値基準となっています。それでは、視点をj中小企業に戻しますと、無関連多角化の事業展開している企業はごく稀であり、通常は単一事業もしくは関連多角化企業ではないでしょうか?そのような企業体では経営理念を抽象化させず、ある程度具現化し設定しないと経営理念の本質である価値基準としての効果が得られなくなります。
経営理念を見直す
経営理念を普遍的な価値基準と捉えているケースも多いようですが、環境の変化に合わせて定期的に見直す事が大切です。
この見直し作業には出来るだけ社員の参加を呼びかけ、今後の価値基準を徹底的に討論する事が望ましいです。ここで、さらに注意したいのは「見直しすぎてコロコロ変わる」ようでは、形骸化する恐れがありますので控えましょう。
マーケティング戦略講座(基礎編)
人材戦略講座(基礎編)
- 只今執筆中
運営会社
■合同会社マネジメントクルー
〒115-0051
東京都北区浮間2-21-9
TEL:03-6454-5654
FAX:03-3967-2341
E-mail:info@keiei-ouen.com
更新情報
2014/08/11
・経営指標2013年(平成25年)版を追加しました。
2014/07/27
・経営指標2012年(平成24年)版を追加しました。
2013/08/07
・セミナー告知を追加しました。
2013/08/07
・経営特くんゲームの案内ページを追加しました。
2013/07/07
・提携サイト“経営特訓士協会”のバナーリンクを追加しました。
2012/09/30
・売上高総利益率のページを一部修正しました。
2012/09/30
・損益計算書のページを一部修正しました。
2012/07/08
・WEB戦略講座のページを更新しました。
2012/06/30
・GSL(Green Site License)の環境認証を取得しました。
2012/06/22
・WEB戦略「匠」とサイトを統合しました。
2012/05/01
・コンサルタント様向けご案内ページをリニューアル。
2012/05/01
・実践経営講座に「WEB戦略番外編」を追加。
2012/04/01
・実践経営講座に「WEB戦略編」を追加。
2012/03/01
・こちら経営応援サイトを完全リニューアル。
2009/10/05
・株式会社経営戦略塾の経営コンサルタント酒本正夫様と提携しました。
2009/08/02
・関連サイトWEB戦略「匠」を開設。
2008/08/15
・中小企業の財務指標を一部追加しました。
2008/07/28
・開設依頼ユニークアクセス数が40,000人を突破しました。
2008/07/24
・本日のユニークアクセス数が500人を突破しました。
2008/06/01
・中小企業の財務指標データを一部更新しました。
2008/02/19
・マーケティング戦略編を更新しました。
2008/02/17
・マネジメント用語解説編を更新しました。