第2回 貸借対照表
貸借対照表の役割
貸借対照表とは「企業のある一定時点における財政状態」を示した表です。
「ある一定時点」とは貸借対照表をはじめとする、財務諸表を作成するために決められた締日の事であり、決算書作成のために会計を締めたのであれば「ある一定時点=決算日」と言う事になります。
月次決算を行っている企業においては通常「ある一定時点=月末」と言う事になりますね。
つまり、財務諸表の役割は
「企業のある時点における資産及び負債と資本の状況を明らかにする事」となります。
貸借対照表は決算申告の際に、必ず作成しなければならない「財務諸表」の1つです。
※下に貸借対照表と損益計算書の時系列における関係図を示しました。
貸借対照表と損益計算書の関係
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その理由は…
貸借対照表を見てみよう
貸借対照表の解説の前に、まずは貸借対照表を見てみましょう。
下記の貸借対照表をご覧ください。
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貸借対照表は大きく分類して、
「資産の部」
「負債の部」
「資本の部」
の3つの分類で構成されています。
また、「資産の部」「負債の部」では
「流動資産(負債)」
「固定資産(負債)」
と分類しているのが見て解ります。
それでは、各々の分類について詳しく紐解いていきましょう!
資産の部(貸借対照表)
貸借対照表における資産の部には、企業の投下された資本の具体的な運用形態が示されています。
企業は投下された資本を元手に、
「建物」を購入し、
「機械」などの設備を導入し、
「商品(製品)」を仕入れもしくは生産し、
「売掛金」として掛売し、
回収日に「手形」として回収する。
「資産の部」に示されています。
また、厳密に言えば金額の誤差が必ず生じますが、貸借対照表の日付時点において、企業を精算したさいの金額を表わしているとも言えます。
上記貸借対照表における精算金額は「138,400(千円)」と言う事になります。
負債の部(貸借対照表)
負債の部ではその名の通り、当該企業の負債金額が示されています。上記において、資産の部は投下された資本の運用形態と解説しましたが、負債の部はその「投下された資本」にあたります。
「資本とは「資本の部」の事では?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、負債も立派な資本の源泉です。
ただし、負債の部は他人から借りた資本であり、その金額を「返済する義務が生じる」資本でり、一般的に「他人資本」とも呼ばれます。
上記の貸借対照表から読み取ると、総資産「138,400(千円)」のうち、他人資本(借金)「69,900(千円)」で賄っていると読み取る事ができ、その金額は将来返済(支払)義務が企業にはあると言う事になります。
資本の部(貸借対照表)
負債の部を「他人資本」と解説しましたが、資本の部は「自己資本」とも呼ばれています。
資本金という項目があるので、理解しやすいと思いますが、資本の部は「返済義務の生じない」資本から構成されています。
上記の貸借対照表から読み取ると、総資産「138,400(千円)」のうち、自己資本(借金)「68,500(千円)」で賄っていると読み取る事ができ、その金額は将来返済義務はないと言う事になります。
資産と負債と資本の関係(貸借対照表)
貸借対照表は「投下した資本(負債・資本)とその運用形態(資産)」が示されている事がわかりました。
それでは、この3つの関係を少し数学的に見て行きましょう。
「投下した資本(負債・資本)とその運用形態(資産)」が示されている事から、以下の式が当てはまります。
負債+資本=資産
投下した資本(負債と資本)が資産として運用されているので、必ず「=」で結ばれます。
簡単に(例)を使って解説してみましょう!
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いかがでしょうか?少し、資産・負債・資本の関係が見えてきたでしょうか!
このように、資産(右側(借方))と負債・資本(左側(貸方))の金額が「=」と同額となる表から、「貸借対照表」と呼ばれています。
また、バランスシート(B/S)とも呼ばれます。
流動と固定の分類(貸借対照表)
貸借対照表にて分類される流動資産(負債)と固定資産(負債)にかんする分類方法は、貸借対照表を作成するうえでの制約となる、企業会計原則にその方法を見る事ができます。
流動資産に表示するもの
1.現金預金、市場性のある有価証券で一時的所有のもの
2.取引先との通常の取引行為によって発生した債権
3.期限が一年以内に到来する債権
4.一年以内に費用化する前払費用
流動負債に表示するもの
1.取引先との通常の取引行為によって発生した債務
2.期限が一年以内に到来する債務
このように企業会計原則に流動資産(負債)に分類する方法が示されています。
この流動に該当しない性質は固定に分類すると理解してください。)
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