第1回 WEB戦略とマーケティング その1
WEB戦略を構築していくうえで、欠かせないのがマーケティングのスキルです。
もちろん、マーケティングの全てを知る必要はないですが、WEB戦略はマーケティングのプロモーション戦略の一端を担うことになるので、最低限の知っておきたいマーケティング事項を簡単に解説していきます。
戦略とは何か!
まずは言葉について理解しておきましょう。
WEB戦略と言葉を何気なく使用している方もいるかと思いますが、「戦略」という言葉の意味についてから、先ずは解説していきます。
「我社の経営戦略は・・・」とか「もう少し戦略的に・・・」など、とかくビジネスの場で頻繁に利用される“戦略”とうキーワードですが、戦略とはそもそもどのような事を指すのでしょうか。最初に“戦略”の定義付けを明確にしておきたいと思います。
先ずは“戦略”という言葉を辞書で引いてみると
戦略とは「戦いに勝つための大局的な方策」(三省堂)
と記述されています。
「戦い」とは物騒ですが、そもそも“戦略”という言葉は、戦争から生まれた言葉のようです。相手どのようにして「倒すか」の方策、つまりは策略とも言いかえる事ができますが、方法を指していたようです。
私達は戦争をするのではありません。「戦いに勝つため」の部分は目的ですから、私達のビジネスの世界では「利益を拡大するために」と置き換えても良いでしょう。また、今回のテーマであるWEB戦略では「集客力を向上するために」とすると、具体的な目的になります。
次に「大局的な方策」とあります。
大局的とは「物事の全体の局面や事情に関するさま。」(三省堂)
とあります。何だか理解できるようで理解できませんので、さらに解説を加えていきます。
戦略と語るには、必然的に戦術を語らなければならないのですが、大局的とは全体的と言い換える事ができホームページの全体的な視点と言う事になります。ホームページでは様々な事を考えなければなりません。全体プロモーションとの相乗効果(シナジー)やターゲティング顧客の設定、細かいところではキャッチコピーや文章、掲載商品など、またはSEO対策やWEBからの注文や問合せなどの対応方法などです。
これらを「利益を拡大するために」や「集客力を向上するために」などの目的に合わせて、全体的に捉える事が「大局的」であり「全体的」と言う事になります。
反対に上記で挙げた項目の一つひとつを思案するのを「戦術」と呼びます。戦略が「大局的」だったのに対して戦術は「局地的」と言えます。大局的すなわち戦略的思考で決定された方法をより具体的かつ実践的まで落とし込んだのが「戦術」となります。
これらを纏めまると「戦略」とは「目的を達成するための全体的な方法」と言う事になります。
これでは「ピン」と来ない方も多い方と思いますので、より具体的な文章としてみましょう。
東京大学を受験しようと頑張っている“Aさん”“Bさん”がいます。
Aさんは受験をすると決めた日から、頭に「東大合格」の鉢巻きをし、寝る暇も惜しんで受験科目の全ての教科書を最初から最後までがむしゃらに猛勉強しました。
Bさんは受験をすると決めてから、最初に自分の得意な科目と不得意な科目を洗い出し、さらに不得意科目のうち「どの章が不得意なのか」を把握し、センター試験の傾向と合わせて、得意科目は伸ばす勉強!不得意科目は傾向として高い出現頻度に重点を絞った勉強をした。
Aさんは「猪突猛進型」と言えます。決めた瞬間から脇目も振らず一心腐乱に猛勉強、しかし無駄な勉強と全ての範囲をカバーしきれずに撃沈(不合格)という結果に終わる率の高い行動パターンです。
Bさんは「熟慮断行型」と言えます。目的を達成するために良く思案したうえで、行動を決定し突き進む戦略思考での行動なので、最終的には目的を達成する確立が高いです。
マーケティングとは何か!
究極のマーケティングは営業マンを不要にすること!
これは、あるマーケティング学者の言葉です。
営業マンの仕事は「売る」ことです。顧客と対話を通じて、自社の商品やサービス、技術がいかに優れているかを相手に伝え、契約を獲得する事が営業マンの仕事です。もちろん、付帯して顧客ニーズの収集や解決提案なども営業マンの仕事の範囲ですが、本質はあくまでも「売る」という行為に他なりません。
この「売る」という行為をマーケティングは排除する事だ!と言うのです。
どういう事なのでしょうか・・・
想定しましょう、あなたが新しく車を買うにあたり車種を絞り込めないとします。その場合、ある程度の絞り込みを行い、ディーラーに出かけ、営業スタッフから説明を受け、値段の交渉をして、総合的評価の高い車を買うことになります。
しかし、「絶対にこの車を買うぞ!」と決めていたらどうでしょうか?
購買までの行動は、ディラーに出かけ、値段の交渉(他車との比較ではなく、あくまでも購入する前提での交渉)となります。
この二つの購買までの行動には大きな違いがあります。
そうです、前者は複数の車が候補にあるので、営業マンの営業トークや値引き額が購買決定に大きく要因しているのに対し、後者では既にその車を買う事が決まっているので、営業マンのトークや値引き額は購買の要因にならないのです。
営業マンは人が担います。世界に同じ人が一人としていないのと同じように、営業マンも同じです。営業スキルには個人差があります。この個人差で売上が左右されては、企業は成長できません。また、値引は企業にとっては利益のマイナスです。誰が考えても出来るだけ値引き額は少なく、できれば値引き無しで販売したいものです。
これを可能にしているのが、後者となります。後者は「絶対にこの車を買うぞ!」と決めているのです。スタイルや性能、ブランド、価格などを総合的に判断して買う事を決めて行動していますので、営業スキルや値引き額は購買行動に影響を与えません。
この様な購買行動を“指名購買”と言います。
指名購買は「買って下さい」という企業から顧客への販売ではなく、顧客から企業へ「売って下さい」という流れになります。
この「売って下さい」を獲得する仕組みづくりがマーケティングと言う事になります。
だから、営業マンは不要という事になるのです。
もちろん、業種・業界によっては営業マンが必要不可欠な合もあります。だから、この言葉は極論となるのですが、マーケティングとは・・・ と説明する時にはインパクトがあり、マーケティングを的確に指すには良い言葉ですので用いました。
最後に、
マーケティングに対して、販売活動は「セリング」と呼ばれます。このセリングは今日の糧を得る活動とも言われ、逆にマーケティングは明日の糧を得る活動とも言われます。どちらの糧も企業では非常に重要ですのでお忘れなく。
●次回は第2回 WEB戦略とマーケティング その2です。
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2014/07/27
・経営指標2012年(平成24年)版を追加しました。
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2013/08/07
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2013/07/07
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2012/09/30
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2012/05/01
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2012/04/01
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2009/10/05
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2009/08/02
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2008/08/15
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2008/07/28
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2008/07/24
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2008/06/01
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2008/02/19
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2008/02/17
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